チベタンスパニエルは聡明で遊び好き!飼い方や性格、抜け毛などを解説
ふんわりとした飾り毛が魅力のチベタンスパニエルは、非常に古くから存在している犬種です。現在はイギリスやアメリカなど世界各国で飼育されています。日本では知名度の低い犬種ですが、小さな体と子どもにも優しい性格はペットに最適です。本記事ではそんなチベタンスパニエルの性格や飼い方、歴史などをご紹介します。
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目次
チベタンスパニエルの基本データ
チベタンスパニエルの大きさ | 25cm |
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チベタンスパニエルの体重 | 4~7kg |
平均寿命 | 12年以上 |
原産国 | チベット |
チベタンスパニエルの歴史
チベタンスパニエルは古くからチベットのヒマラヤ山脈付近に生息していたようですが、その詳しいルーツは明らかにされていません。
ただ、鼻が短いことから「ペキニーズ」や「シーズー」、「ラサアプソ」、「パグ」などと血縁関係があるのではないかと考えられています。また、一説によると紀元前1000年以上も前から存在しているといわれています。
当時のチベタンスパニエルは主に僧院で飼育されており、番犬としても活躍していたそうです。また、愛嬌のある風貌で歴代のダライ・ラマ(ラマ教の教主)にも大変可愛がられたといいます。
その後、1400~1500年頃にチベタンスパニエルはヨーロッパへと渡ります。このことをきっかけにイギリスを始め、各国で飼育されるようになりました。1965年にはアメリカへ渡ったとの記録があり、現在も「ティビー」の愛称で親しまれています。
チベタンスパニエルの性格
チベタンスパニエルは明朗で、遊び好きな性格をしています。独立心が強いものの、飼い主と一緒に遊ぶことが大好きです。また、家族に対しては愛情深い一面を見せてくれ、子どもの遊び相手にもなってくれます。
その反面、チベタンスパニエルは警戒心が強く、見知らぬ相手にはよそよそしい態度を取ります。人見知りが激しい犬種のため、初対面の相手にはなかなか心を開きません。時には警戒心から吠えることも。そのため、社会化や吠え癖などのしつけが必須です。
チベタンスパニエルは聡明で忠実な性格をしています。ただ、強情で自己主張が強い一面もあるため、しつけは根気よく行うことが重要です。
チベタンスパニエルの飼い方としつけのポイント
チベタンスパニエルは小さな体をしているため、マンションでも気兼ねなく飼育できます。飼育環境は選びませんが、暑さには弱いため室内飼いが理想です。また、頑固でマイペースな性格をしているため、甘やかさずにしつけることが重要です。そのほか、チベタンスパニエルを飼育する際に注意したいポイントや、しつけなどについてご紹介します。
飼い方
暑さに弱いチベタンスパニエルは室内で飼育する
チベタンスパニエルは暑さに弱いため、必ず室内で飼育してください。特にジメジメとした暑さがある日本の夏が苦手です。
そのため、夏場は室内に冷房を入れ、快適な温度に保ってあげましょう。また、散歩の際は熱中症にならないよう、早朝や夕方などの涼しい時間帯を狙い、こまめな水分補給を行ってください。
運動の際はコミュ二ケーションを大切にする
チベタンスパニエルはそれほど運動量の多い犬種ではないため、過度な運動は必要ありません。15~30分程度の散歩を1日に1回もしくは2回ほど行えば十分です。
また、チベタンスパニエルは飼い主と一緒に遊ぶことを好みます。そのため、散歩よりも室内でコミュ二ケーションを取りながら運動する時間を多く取ってあげましょう。特にボールやおもちゃを取ってくる「フェッチ運動」を好む傾向にあります。
しつけ
頑固なチベタンスパニエルのしつけは「根気」が必要
チベタンスパニエルは頑固で自立心の強い犬種ですので、犬を初めて飼う方はしつけに苦労するかもしれません。また、叱られてもへこたれない性格をしているため、根気強くしつけることが大切です。しつけの際は毅然とした態度を示し、一貫性を持たせましょう。
甘やかし厳禁!チベタンスパニエルとは主従関係を築く
チベタンスパニエルは自己主張が強いため、甘やかすと「アルファシンドローム」になってしまう恐れがあります。アルファシンドロームとはワンちゃんが飼い主に服従せず、自らがリーダーになってしまうことです。
そうならないよう、甘やかさずに飼い主とワンちゃんとの間で主従関係を築きましょう。飼い主がリーダーだと示すことで、わがままではない飼育しやすい子へと成長していきます。
警戒心が強いチベタンスパニエルには「吠え癖のしつけ」が必須
チベタンスパニエルは警戒心が強く、家族以外の相手に対して吠えることがあります。吠え癖は騒音トラブルにも繋がりかねないため、子犬の内にしつけておきましょう。
しつけには主従関係が大切といっても、無理に抑圧してしまうと飼い主に不信感を抱いてしまいます。
吠え癖のしつけは吠えている原因によって変わりますが、要求吠え(ご飯や散歩など自身の要求のために吠えること)の場合は「無視」が効果的です。
チベタンスパニエルの被毛・毛色について
チベタンスパニエルの主な毛色
- フォーン
- レッド
- セーブル
- ブラック
- ゴールド
- ブラック&タン
- トライカラー
チベタンスパニエルは単色から複数色まで、非常に豊富な毛色を持ちます。日本最大級の畜犬団体「一般社団法人ジャパンケネルクラブ」の公式サイトには、『あらゆる毛色やそれらの毛色のミックスが許容される』とあります。
チベタンスパニエルの被毛の特徴
チベタンスパニエルは長毛で、シルクのような柔らかい被毛を持ちます。特にしっぽや足などについている飾り毛は細くて、ふわふわとした触り心地をしています。
また、チベタンスパニエルはアンダーコートとオーバーコートからなる「ダブルコート」のワンちゃんです。かなり抜け毛が多く、特に毛の生え変わり時期には通常より多くの抜け毛が発生します。そのため、こまめなお手入れが欠かせません。
チベタンスパニエルの被毛のケア
チベタンスパニエルの被毛は絡まりやすいため、こまめにブラッシングしてあげましょう。目安としては週に3回程度ですが、毎日行うことが理想です。
ブラシは先が丸くなっている「ピンブラシ」がおすすめです。地肌を痛めることなくブラッシングが行えますので、ワンちゃんを初めて飼う方でも簡単に扱えます。
ただ、換毛期には「スリッカーブラシ」の使用をおすすめします。スリッカーブラシは先端が鋭いため力加減には注意が必要ですが、毛をしっかりと絡め取ってくれます。
これらのブラシを使用し、毛先から丁寧にブラッシングを行いましょう。
チベタンスパニエルのトリミングについて
チベタンスパニエルは長毛種ですが、カットが必要な犬種ではありません。(足裏は除く)ただ、皮膚の清潔を保つためにもシャンプーは定期的に行いましょう。
シャンプーの際は必ずワンちゃん用を使用し、地肌からしっかりと洗ってください。なお、自宅でのシャンプーが困難な場合はトリミングサロンを利用しましょう。
チベタンスパニエルがかかりやすい病気
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チベタンスパニエルは遺伝疾患が少ない健康な犬種です。しかし、前足が弓のように湾曲しているため、骨折しやすくなっています。特に高い場所から飛び降りると屈曲部分に体重がかかり、骨折のリスクが高まります。また、「膝蓋骨脱臼」や「軟口蓋過長」などにも注意が必要です。そのほか、チベタンスパニエルがかかりやすい病気をご紹介します。
チベタンスパニエルなどの小型犬は要注意!「膝蓋骨脱臼」
膝蓋骨脱臼とは、後ろ足にある膝蓋骨(膝のお皿)が正常な位置から外れてしまう病気です。症状は4つのグレードで表され、軽いものであれば日常生活に支障はきたしません。ただ、症状が最も重いグレード4になると足が変形し、地面にうずくまるように歩く、足があまり地面につかないなどが見られるようになります。
予防法としては、普段から体重管理を徹底して肥満体型にしない、関節に負担をかけないよう床にカーペットを敷くなどが挙げられます。
膝蓋骨脱臼の治療はグレードによって変わってきますが、鎮痛剤やレーザー治療、外科手術などを行います。
短頭種がかかりやすい「軟口蓋過長」
軟口蓋過長症とは、上顎の柔らかい部分(軟口蓋)が大きく垂れ下がってしまう病気です。軟口蓋が通常より長いと呼吸がしづらくなり、吐き気や呼吸困難、失神などの症状を引き起こします。
先天性の病気なため、予防は難しいです。ただ、早い段階で適切な治療を行えば症状が緩和されます。
治療方法としては、軟口蓋を切除する外科的治療が推奨されています。
気管が押しつぶされてしまう「気管虚脱」
気管虚脱とは、気管が本来の強度を失ったことによって変形してしまう病気です。常に気管が押しつぶされた状態になっているため、激しい運動をしたり、興奮したりすると咳や「ガーガー」という喉鳴りが起こります。また、重度の気管虚脱になると呼吸困難や失神などを引き起こします。
発症の原因は明らかになっていませんが、肥満やストレス、老化などが要因だと考えられています。
気管虚脱を予防することは難しいですが、以下の工夫で悪化を防げます。
- 脂肪で気管が圧迫されないよう、肥満対策をする
- 過度な運動や興奮を避ける
- 気管に負担がかからないよう、ハーネスにする
治療は気管拡張薬や鎮咳薬の投与、重度の場合は酸素吸入や手術を行います。
早期発見が重要!「進行性網膜萎縮症」
目の中で重要な働きをしている“網膜”が異常を起こした状態を「進行性網膜萎縮症」といいます。発症すると徐々に視力が低下し、暗がりでぶつかる、動きが鈍くなるなどの行動が引き起こされます。
進行性網膜萎縮症は遺伝子が関与している病気ですので、現段階では予防法はありません。
発症後は点眼薬や内服薬、レーザー治療などを使って症状の悪化を防ぎます。
足が湾曲しているチベタンスパニエルは注意したい「骨折」
骨折とは外部から力が加わったことにより、骨の一部または全部が絶たれてしまう疾患です。骨折した箇所は腫れや痛みが生じ、熱を持ちます。
骨折は、高い場所や抱っこから落下する事故によって引き起こされることが多いようです。そのため、ワンちゃんを抱っこする際は十分に注意し、ソファーやテーブルなど高い場所には登らせないようにしましょう。
治療は骨折箇所やワンちゃんの年齢などを考慮して決定されますが、基本的には外科手術を行います。
チベタンスパニエルをブリーダーから購入した場合の価格は?
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ブリーダーからお迎えするメリット
①健康的で社交性の高い子犬を迎えやすい
十分に衛生管理がなされているブリーダーのもとで生まれ育った健康的な子犬を探すことができます。
また、他にも子犬がいる環境で生まれ育っているため、社会性が身に付いた状態で迎えやすくなります。
さらに、基本的なしつけを受けていたり、適切な血統管理がなされていたりするケースが多いです。
②購入後のサポートも安心できる
子犬の見学を通してブリーダーの顔がわかり、信頼関係を築くことができます。
子犬の購入後も分からないことがあれば質問しやすくなり、安心してサポートを受けられます。
③購入金額を抑えられる
流通の中間マージンがかからないため、ペットショップから購入する場合にくらべて子犬の購入金額は安くなります。
チベタンスパニエルの子犬をブリーダーからお迎えしたい方は、こちらのボタンから最新情報をチェック!優良ブリーダー情報も詳しく掲載しています。
※タイミングによってはお迎えできるワンちゃんがいない場合もあります。