“ポン”の愛称で親しまれるポリッシュローランドシープドッグの性格・飼い方など
「ポルスキー・オフチャレク・ニジニー」という別名を持つポリッシュローランドシープドッグは「ポン」の愛称で親しまれ、原産国のポーランドではメジャーな犬種です。ここでは、長い毛で覆われ、温厚で従順な性格をしているポリッシュローランドシープドッグの歴史や飼い方などをご紹介します。
photo by Piotr Zajac
目次
ポリッシュローランドシープドッグの基本データ
ポリッシュローランドシープドッグの大きさ | 42~50cm |
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ポリッシュローランドシープドッグの体重 | 14~16kg |
平均寿命 | 12~15年 |
原産国 | ポーランド |
ポリッシュローランドシープドッグの歴史
ポリッシュローランドシープドッグは原産国のポーランドで「ポルスキー・オフチャレク・ニジニー」と呼ばれ、切手になるほど親しまれている犬種です。
13世紀には存在していたといわれており、ベアデッドコリーの基礎犬とも考えられています。
牧羊犬として活躍していましたが、第二次世界大戦に絶滅寸前になったそうです。軍用犬として使われたり、飼い主を守ろうとしたりと多くの命を落とした歴史が伝えられています。
戦後、ポリッシュローランドシープドッグの愛犬家たちにより繁殖し、海外へ輸出するようになり人気犬種となりました。
温厚で陽気!ポリッシュローランドシープドッグの性格
ポリッシュローランドシープドッグは、温厚で優しい性格をしています。飼い主に対して従順で賢いうえ、小さな子どもにも寛容なので家庭犬に向いています。
また、陽気で活発な性格でもあるので、他のワンちゃんとすぐに仲良くできます。攻撃性がほぼないので平和主義者ともいえます。
ただし、牧羊犬として活躍していただけあって、普段は落ち着いていますが、知らない人には警戒心を持つことがあります。家族を守ろうとする一面もあるので、いざというときは番犬としても活躍するでしょう。
ポリッシュローランドシープドッグの飼い方としつけのポイント
ポリッシュローランドシープドッグは活発な性格でもありますが、運動量はどれくらい必要なのでしょうか?ここでは、ポリッシュローランドシープドッグの飼育方法やしつけのポイントなどご紹介します。
温度管理ができる室内飼いを!ある程度の運動も必要
長毛で被毛が厚いポリッシュローランドシープドッグは暑さが苦手です。特に日本は高温多湿なので熱中症になる可能性が高まります。飼育は温度管理ができる室内にしましょう。
また、ワンちゃんは散歩などの運動も必要になります。ポリッシュローランドシープドッグの場合はそれほど運動量が多くありませんが、1日2回、各30~60分の散歩を行いましょう。
社交的な犬種なので、他のワンちゃんと触れ合うことができ思いっきり遊ぶことのできるドッグランに行くと喜ぶはずです。賢い犬種でもあるので、ゲームを取り入れた遊びやドッグスポーツも楽しめるでしょう。
さまざまなコマンドを言葉で覚えさせる
ポリッシュローランドシープドッグは、賢いのでしつけはそれほど難しくありません。とはいえ、甘やかしすぎるとなかなかしつけができないので主従関係を築いておく必要があります。子犬の頃から家族以外の人やワンちゃんと触れ合わせ、社会化することも大切です。
記憶力の良さから、さまざまなコマンドを言葉で教えながらしつけていく方法がおすすめです。飼い主を喜ばせることが好きなので、進んで覚えてくれるでしょう。
毛色は何種類?お手入れ方法は?
毛色は全色OK!
ポリッシュローランドシープドッグの毛色は特に決まりはなく、どんな色・パターンでも許容されています。ホワイト&ブラック、ホワイト&ブラウン、ホワイト&グレー、単色に近い毛色などさまざまなカラーが存在しています。
定期的にブラッシングを!汚れはこまめに拭き取る
特徴でもある長い被毛は絡まりやすく、お手入れをしていないと毛玉になってしまいます。皮膚炎の原因になるので、できるだけ毎日ブラッシングをしましょう。
また、ポリッシュローランドシープドッグはオーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)から成るダブルコートです。換毛期(春・秋)になると抜け毛が発生するので特に念入りなお手入れが必要です。子犬の頃からブラッシングに慣れさせておくと楽にケアができるでしょう。
また、被毛が長いので汚れやすくなります。食後やトイレの後は綺麗に濡れタオルで拭いてあげてください。
かかりやすい病気(眼・関節・呼吸器・皮膚・ホルモン・血液)
photo by Piotr Zajac
ポリッシュローランドシープドッグは眼疾患や関節疾患、皮膚疾患など気を付けなければならない病気はさまざまあります。早期発見・早期治療が予防に繋がる病気が多いので、事前にどんな病気にかかりやすいのか知っておきましょう。
眼の病気
進行性網膜萎縮症
視覚に関わる網膜という組織が少しずつ変性して視覚が低下し、最終的に失明する病気です。進行性網膜萎縮症になると、瞳孔が開き眼底がビー玉のように光って見える特徴があります。
原因は遺伝子変異で、予防は難しいと考えられています。遺伝子検査を行い、遺伝子変異を持っていないワンちゃん同士を交配することが重要です。
点眼薬などによって発症を遅らせる方法が取られます。完治させる治療法はなく、進行すると失明します。
緑内障
眼球内は房水によって眼圧が保たれています。その眼圧が上がることで痛みや視覚障害が現れる病気が緑内障です。痛みが強いと食欲不振や元気消失などの様子が見られることもあり、進行すると水晶体脱臼などを起こし失明することもあります。
遺伝による眼の構造の異常の他、腫瘍やケガなどに関連して引き起こされます。こまめに確認して、早期発見・早期治療することが大切です。
治療には点眼薬などを使用する内科治療と眼球を摘出する外科治療があります。難しい手術となるので動物病院と相談しましょう。
関節の病気
股関節形成不全
成長する中で形態的に異常が起き、寛骨臼と大腿骨頭が噛み合わなくなる病気です。炎症によって痛みを感じ、跛行や横座り、運動を嫌がるなどの行動が見られます。
原因は遺伝が関与しているといわれています。その他にも栄養や運動も影響を与えると考えられるので、バランスが取れた食事や体重管理、過度な運動を避けるなどを行い予防に努めましょう。
症状や状態によって治療法は異なり、鎮痛剤などを使用する内科治療と外科治療から選択されます。
呼吸器の病気
肺水腫
肺にある肺胞に水が溜まる病気が肺水腫です。速くて浅い呼吸になり、呼吸が上手くできないので座ったまま過ごすことが多くなります。
原因には心臓疾患が原因となって起こる心臓性と、肺炎などによる非心臓性があります。他の病気によって発症することがほとんどなので、基礎疾患となる病気を早期発見・早期治療することが肺水腫の予防に繋がります。
肺胞に溜まった水を除去する治療が行われます。合わせて基礎疾患も治療します。
皮膚の病気
膿皮症
皮膚に細菌が繁殖して起こる皮膚炎です。かゆみを始め、赤みや脱毛などが見られます。脇や指の間に症状が見られることが多く、ワンちゃんが気にして舐めるなどの行動をします。それによって悪化することもあり、発熱や痛みなども起こる場合もあります。
皮膚のバリア機能や免疫力の低下によって細菌が増殖するので、適切にブラッシングやシャンプーを行い、生活環境を整えることが予防となります。
主な治療方法は抗生物質の投与です。薬用シャンプーが必要になることもあります。
ホルモンの病気
甲状腺機能低下症
代謝を上げる甲状腺ホルモンは甲状腺から分泌されていますが、その分泌が少なくなることによって元気消失や肥満、脱毛などの症状が見られます。高齢のワンちゃんで見られることがあるので、ポリッシュローランドシープドッグも老犬になったときは気を付けなければなりません。
免疫システムが自身の甲状腺を壊す免疫介在性や遺伝性、腫瘍などの他の病気によって起こる場合と原因はさまざまです。こまめにワンちゃんの状態を確認して、早期発見・早期治療を心がけましょう。
治療は、基本的に甲状腺ホルモン薬の投与を生涯続けることになります。
血液の病気
溶血性貧血
酸素を運ぶ役割のある赤血球が壊されてしまい、酸素供給が上手くいかなくなる病気です。初期の頃は元気や食欲がなくなったり、運動を嫌がるようになったりします。進行すると口の中が黄色くなる黄疸が出るようになり、心不全を起こす場合もあります。
赤血球を破壊する原因となるのが、自身の免疫によるもの(免疫性溶血性貧血)の他、タマネギや薬などの誤飲などです。誤飲をさせないよう日頃から気を付けて未然に防ぎましょう。
内科治療を行って安静にします。誤飲の場合は取り除く処置や、状態によっては輸血を行うこともあります。
ポリッシュローランドシープドッグをブリーダーからお迎えしよう!
ブリーダーからお迎えするメリット
①健康的で社交性の高い子犬を迎えやすい
十分に衛生管理がなされているブリーダーのもとで生まれ育った健康的な子犬を探すことができます。
また、他にも子犬がいる環境で生まれ育っているため、社会性が身に付いた状態で迎えやすくなります。
さらに、基本的なしつけを受けていたり、適切な血統管理がなされていたりするケースが多いです。
②購入後のサポートも安心できる
子犬の見学を通してブリーダーの顔がわかり、信頼関係を築くことができます。
子犬の購入後も分からないことがあれば質問しやすくなり、安心してサポートを受けられます。
③購入金額を抑えられる
流通の中間マージンがかからないため、ペットショップから購入する場合にくらべて子犬の購入金額は安くなります。
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※タイミングによってはお迎えできるワンちゃんがいない場合もあります。