ハリー・ポッターの映画にも登場!ナポリタンマスティフの性格や大きさなどご紹介
世界三大恐怖犬種のひとつに数えられているナポリタンマスティフは、その恐ろしい見た目に反して優しい性格をしています。「ハリー・ポッター」シリーズの映画に登場しているためその独特な容貌をご存知の方も多いかもしれません。本記事ではそんなナポリタンマスティフの魅力についてご紹介します。
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目次
ナポリタンマスティフってどんな犬?
ナポリタンマスティフの基本データ
ナポリタンマスティフの大きさ | 60~75cm |
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ナポリタンマスティフの体重 | 50~70kg |
平均寿命 | 最長10年 |
原産国 | イタリア |
ナポリタンマスティフの歴史
ナポリタンマスティフは世界三大恐怖犬種のひとつで、最も恐ろしい外見を持つワンちゃんとされています。
残りの2つはイングリッシュブルドッグとイズクウィントリポゾトリという犬種ですが、大型犬であるナポリタンマスティフはこの中でも迫力のある犬種です。
その歴史は古く、古代ローマ、古代ギリシャの大型の闘犬の末裔だと考えられています。
紀元前326年、インドの王がアレクサンドロス大王に闘犬を贈ったという記録があり、それが祖先となった犬種だと推測されています。
ナポリタンマスティフはイタリア南部の農家で番犬として飼育されていたので、できるだけ警戒心が強く、恐れられるような見た目になるよう繁殖が繰り返され作出されました。
2度の世界大戦によってナポリタンマスティフは絶滅の危機に陥りましたが、イタリア人画家のピエロ・スカンジアーニが血統の維持に努め、繁殖させスタンダードを作成しました。
そして1949年、イタリアンケネルクラブと国際畜犬連盟で犬種として公認されました。
その後もスタンダードが改定され、ヨーロッパやアメリカに輸出されるようになり、2004年にはアメリカンケネルクラブにも登録されました。
日本では珍しい犬種ですが、「ハリー・ポッター」シリーズの映画でハグリッドが飼っている愛犬ファングがナポリタンマスティフといえば、ピンとくるのではないでしょうか。
ナポリタンマスティフの性格
ナポリタンマスティフは大型で強面なので一見怖そうに見えますが、優しくて飼い主に忠実な性格をしています。
マスティフ系の犬種は気性が荒いとよくいわれていますが、ナポリタンマスティフは比較的温厚で、小さいお子様がいるご家庭でも飼うことができます。
元闘犬ということもあり、勇敢で防衛本能が強く、番犬に向いています。
しかしマイペースで激しく運動したりすることは滅多になく、決まった場所に寝そべっていることが多いくらい穏やかなワンちゃんです。
自己判断で物事を考えられる賢さを持っている分、しつけが非常に大切になります。社交性を身に着けさせナポリタンマスティフ本来の優しさや愛情深さを伸ばすことができれば、飼い主のとてもよいパートナーになりますよ。
ナポリタンマスティフの飼い方としつけのポイント
飼い方と注意点
ナポリタンマスティフは暑さに弱いので、夏場は室内飼いがおすすめです。
飼い主のそばにいるのが好きなワンちゃんなので、夏以外も室内飼いを推奨します。
大型のナポリタンマスティフがゆったりとできるような飼育スペースを確保できる方が望ましいです。
よだれが非常に多いので、部屋の中がよだれで汚れてしまうことは覚悟しておきましょう。
階段の昇り降りは関節に負担がかかるので、1階で飼うことが理想的ですよ。
また、ナポリタンマスティフは体が大きいので、それなりの運動量が必要になります。
1日2回、1回60分程度の散歩を行うようにしましょう。
パワーがあるので散歩は子どもに任せないようにし、また激しい運動は関節を痛めてしまうため避けるようにしてください。
大柄で独特の見た目は、散歩をしていると目立つだけでなく、知らない人を怖がらせてしまう可能性があります。
少しじゃれただけでもトラブルに繋がる可能性があるので、リードはしっかりと握り、ワンちゃんから目を離さないように気を付けましょう。
しつけについて
ナポリタンマスティフは独立心が強いので、しつけを怠ると飼い主の言うことを聞かず自己判断で行動するワンちゃんになってしまいます。
駄目なことは駄目だと教え、覚えてもらえるまで根気強く行いましょう。
上手くできたときにはおやつなどのご褒美を与えるのが効果的ですが、与えすぎは逆効果になるので、おやつはここぞというときだけ利用するようにしてくださいね。
強く怒りすぎると凶暴になってしまうので、褒めながらしつけを行い、主従関係をしっかりと築きましょう。
大型で力が強いということもあり、しつけは初心者には難しいといわれています。自信のない方は、プロのトレーナーに依頼することがおすすめです。
しつけがしっかりできると、ナポリタンマスティフは頼もしい番犬、また忠実で愛情深い家庭犬として癒してくれるでしょう。
被毛や毛色について
毛色
- グレー
- ブラック
- ブラウン
- フォーン(金色がかった色に黒の差し毛が少し混ざったもの)
被毛の特徴とお手入れについて
ナポリタンマスティフは短毛で、荒く固い毛が密集しています。
ブラッシングは週1回程度で十分ですが、その代わりに毎日皮膚のお手入れをしっかり行うようにしてください。
たるんだ皮膚には汚れが溜まりやすく、よだれも大量に垂らすので、濡れたタオルでこまめに拭いてあげるようにしましょう。体全体をマッサージしてあげると喜びますよ。
臭いが気になる場合は消臭剤を用意するようにしましょう。
ナポリタンマスティフは痛みに強く、怪我をしていたり不調があったりする場合でも態度に出さないことが多いため、体を拭いてあげるときにボディチェックも行うようにしてくださいね。
ナポリタンマスティフのかかりやすい病気
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ナポリタンマスティフは大型犬がかかりやすい「股関節形成不全」や「胃捻転」の他に、「肥大性心筋症」などの心臓病、「チェリーアイ」という目の病気に注意する必要があります。
また、しわが多いので皮膚が蒸れやすく、皮膚炎にもかかりやすい傾向があります。
ここでは、それぞれの病気について症状や原因など詳しくご紹介します。
股関節形成不全
股関節形成不全とは、股関節に形態的な異常が起こり様々な症状を引き起こす病気です。体重が重く関節に負担のかかりやすい大型犬に多く見られます。
横座りをするようになる、腰を振る歩き方をする、立ち上がるのに時間がかかる、段差の昇り降りや運動を嫌がるなどの症状が見られます。
遺伝的な要因や、成長期の偏った栄養、過度な運動などが原因となるといわれているので、幼齢期には特に注意するようにしましょう。
フローリングなどの滑りやすい床を避けたり、足の裏の毛を短くカットしたりし、日常生活でも工夫するようにしてください。また、過度な運動は控えましょう。
治療は、内科的治療と外科的治療があります。内科的治療では、鎮痛剤やレーザー治療によって痛みを抑えたり、運動の制限や体重管理を行ったりします。この治療で症状が改善されない場合、切開を伴う外科的治療を行うことになります。
胃拡張(胃拡張胃捻転)
胃捻転とは、胃が拡張しねじれを起こすことからショック状態に陥る病気です。大型犬などの胸の深い犬種に多く発症します。
症状は、胃の拡張により嘔吐をしたくても嘔吐物が出てこない状態になり、よだれを垂らすようになります。その後に呼吸困難、粘膜が白く変色する、脈圧が下がるなどのショック症状と起こすようになり、放置されると数時間で死亡する恐れがあります。
予防策として、食事を2回以上に分けることや、食後すぐの運動を控えることなどが挙げられます。大量にドライフードを食べたあとに水を飲むことで、胃の中で膨張し胃拡張の要因になることもあります。食事の与え方には注意するようにしましょう。
治療では、胃の中にチューブを挿入したり注射を胃の中に刺したりし、ガスを排出させる胃の減圧処理を行います。また、ステロイドの投薬や点滴などによりショック状態を落ち着かせたあとで、胃の位置を元に戻し固定する開腹手術も行われるようです。
肥大性心筋症
肥大性心筋症とは、心臓を構成する筋肉である心筋が厚くなり、心臓の内腔が狭くなることで強く拍動できなくなり血液の循環不全が起きる病気です。
症状として、元気がなくなる、食欲不振、体重の減少、運動を嫌がるなどが見られますが、無症状であることもあるので注意が必要です。
その他に、循環不全によって肺に水が溜まって呼吸困難を起こすケースや、失神を起こし突然亡くなってしまうケースも見られます。
発症の原因は不明なので予防することは難しいのですが、早期発見により進行を遅らせることは可能です。定期的に診断を受けるようにし、疲れやすい、運動したがらないなどワンちゃんの様子に異常がある場合はすぐに通院するようにしましょう。
発症した場合、心筋症そのものの治療は残念ながらできませんが、進行を遅らせるため症状に合わせた治療を続けることになります。日常生活では激しい運動を控えたり、療法食により塩分の摂りすぎを防いだりすることが重要です。
また、肥満は心臓に負担をかけてしまうので、太りすぎないようにしっかり管理する必要があります。
チェリーアイ
ワンちゃんは目の上下にあるまぶたの他に、目頭の内側に「第三眼瞼」という3つ目のまぶたを持っていますが、「第三眼瞼腺」という第三眼瞼の内側で涙を分泌する組織が肥大し赤く腫れあがると、さくらんぼのように見えるようになります。その状態がチェリーアイと呼ばれています。
発症の原因は不明ですが、遺伝性だと推測されています。6ヶ月から1歳以下のワンちゃんに多く見られますが、年齢に関係なく目の炎症や外傷などによっても発症する可能性があります。
腫れあがった第三眼瞼腺が目に刺激を与えたり、不快感によりワンちゃんが目をこすったりするため、角膜炎や結膜炎を併発することもあるようです。
遺伝性の病気は発症の予防が難しいですが、早期発見ができるよう自宅で目が赤くなっていないかどうかのチェックをしっかり行うようにしましょう。
治療では点眼薬や内服薬を用い、飛び出した第三眼瞼腺の炎症を抑える治療をまずは行いますが、再発を繰り返したり、完治しなかったりした場合は外科手術を行うことになります。
手術では第三眼瞼腺を元の位置に戻し縫合する方法の他に、第三眼瞼腺を切除する方法がありますが、第三眼瞼腺は重要な器官であり切除はリスクを伴うので、縫合が主な手術法となっているようです。
アトピー性皮膚炎、膿皮症などの皮膚病
ナポリタンマスティフの魅力のひとつである顔や体のしわは、皮膚病を起こしやすいです。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とはアレルギー性皮膚炎の一種であり、症状を引き起こす原因となるアレルゲンにワンちゃんの体内の免疫機構が過剰に反応し、炎症を起こす皮膚病のことです。
アレルゲンとして、ハウスダストや花粉、カビなどが考えられます。
顔、脇、股、足など皮膚の痒みが症状で、ワンちゃんが体を舐めたり噛んだりする行動を取っていたら皮膚炎が疑われますので、早めに通院するようにしましょう。症状が進行すると皮膚が赤くなったり、脱毛や発疹が見られたりもするようです。
遺伝的な要因が関与しているため予防は難しいとされています。
治療としては発症の原因となるアレルゲンの除去や薬やサプリメントの投与、シャンプー療法を行います。また、原因物質を少量ずつ身体に入れてアレルゲンに慣れさせる減感作療法という治療法もありますが、費用が高額なことと治療期間も長期にわたるため、獣医と相談して決めましょう。
膿皮症
膿皮症とは細菌の感染による皮膚の化膿による皮膚炎のことで、皮膚で細菌が繁殖し症状を発症します。
全身の皮膚で起こり、症状として湿疹や赤み、脱毛、フケ、またワンちゃんが痒がる様子が見られます。
アレルギーや栄養失調、免疫不全、寄生虫などの基礎疾患が原因となる場合もあるようです。
膿皮症の予防としては生活環境を清潔に保つようにし、夏場は高温多湿にならないように気を付けましょう。また、日頃からブラッシングの際に皮膚をチェックする、定期的にシャンプーをするなどのケアを心掛けるようにしてください。
抗生物質である薬の投与が主な治療になります。
ナポリタンマスティフをブリーダーからお迎えしよう!
ブリーダーからお迎えするメリット
①健康的で社交性の高い子犬を迎えやすい
十分に衛生管理がなされているブリーダーのもとで生まれ育った健康的な子犬を探すことができます。
また、他にも子犬がいる環境で生まれ育っているため、社会性が身に付いた状態で迎えやすくなります。
さらに、基本的なしつけを受けていたり、適切な血統管理がなされていたりするケースが多いです。
②購入後のサポートも安心できる
子犬の見学を通してブリーダーの顔がわかり、信頼関係を築くことができます。
子犬の購入後も分からないことがあれば質問しやすくなり、安心してサポートを受けられます。
③購入金額を抑えられる
流通の中間マージンがかからないため、ペットショップから購入する場合にくらべて子犬の購入金額は安くなります。
ナポリタンマスティフの子犬をブリーダーからお迎えしたい方は、こちらのボタンから最新情報をチェック!優良ブリーダー情報も詳しく掲載しています。
※タイミングによってはお迎えできるワンちゃんがいない場合もあります。