フラットコーテッドレトリーバーの性格・しつけ・価格などを解説!
フラットコーテッドレトリーバーは、抜群の運動神経とゴールデンレトリーバーに似た容姿が特徴の犬種です。日本ではあまり聞きなじみがありませんが、世界では高い人気を誇ります。そんなフラットコーテッドレトリーバーの魅力や飼い方・しつけ、価格などをご紹介します。
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目次
フラットコーテッドレトリーバーの基本データ
フラットコーテッドレトリーバーの大きさ | 56~61cm |
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フラットコーテッドレトリーバーの体重 | 25~36kg |
平均寿命 | 11~13年 |
原産国 | イギリス |
大きさや体重は個体によってさまざまです。フラットコーテッドレトリーバーのオスの場合、生後半年で10~15㎏になります。1歳にもなると20~25㎏になることが多く、次第に筋肉が付き平均体重まで大きくなっていきます。
太り過ぎると体に負担がかかり、病気の原因となる恐れがあるのでしっかりと体重管理も行いましょう。
“フラッティ”と親しまれるフラットコーテッドレトリーバーの歴史
フラットコーテッドレトリーバーは19世紀頃に誕生し、祖先犬はニューファンドランドまたは小型のレトリーバーなど、さまざまな説があります。
嗅覚が優れていたことから猟犬としての改良が進められ、ガンドックや水中に落ちたカモを運搬する犬種として活躍したそうです。
その優秀な活躍ぶりと愛想の良さで一躍人気の犬種となったフラットコーテッドレトリーバーですが、ゴールデンレトリーバーやラブラドールレトリーバーの出現によって徐々に人気が落ち、第二次世界大戦の頃には絶滅寸前まで追い込まれてしまいます。
危機的状況に陥ったフラットコーテッドレトリーバーでしたが、一部の愛好家たちが熱心に繁殖を進めたおかげで、なんとか絶滅を回避することができました。
“フラッティ”の愛称で親しまれるフラットコーテッドレトリーバーは現在も世界的に見ると人気のある犬種ですが、日本ではなかなか見かけることがありません。
しかし、フラットコーテッドレトリーバーは家庭犬としては最高の犬種ですので、きっかけさえあれば日本でも人気の犬種となることでしょう。
「永遠のピーターパン」と呼ばれるフラットコーテッドレトリーバーの性格
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猟犬としての能力はもちろんですが、明るくフレンドリーな性格も人気の理由でもあったフラットコーテッドレトリーバーは、家庭犬にも向いています。活発な一面もあり「永遠のピーターパン」とも呼ばれているようです。
他にはどんな一面をもっているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
飼い主に献身的に寄りそう
フラットコーテッドレトリーバーは猟犬として活躍していただけに、飼い主に忠実で従順です。献身的に寄りそう一面も見られ、家族の一員として絆を深めることができます。
また、学習能力も高く、しつけがしやすいところも魅力です。嗅覚が優れ、作業意欲もあるので、家庭犬だけではなく探索犬や麻薬探知犬としても活躍しています。ドッグスポーツも一緒に楽しむことができますよ。
友好的で誰とでも仲良くなる
フラットコーテッドレトリーバーは、人にもワンちゃんにもフレンドリーに接することができます。友好的なうえ協調性もあるので小さな子供や他の動物がいる家庭でも仲良く一緒に暮らせます。遊び好きなので子どもや他のワンちゃんとはしゃいで遊ぶ姿がよく見られるでしょう。
ただし、誰に対しても非常に愛想の良い犬種ですので、番犬には向いていないでしょう。
陽気で好奇心旺盛な姿も
フラットコーテッドレトリーバーは、とても陽気な性格をしています。とにかく楽しいことが大好きで、家族が楽しそうに会話していると「仲間に入れてよ!」と割り込んでくることも珍しくありません。この底抜けに明るく全身で喜びを表現する姿は、周りにいる人みんなを笑顔にしてくれますよ。
ただし、好奇心旺盛なので興味のあることを見つけると興奮し過ぎてしまい対応に悩まされることもあるようです。すぐに落ち着かせられるようにしっかりとしつけも行いましょう。
楽観的で自信満々?「永遠のピーターパン」と呼ばれる理由
フラットコーテッドレトリーバーは楽観的な犬種です。子犬の頃はもちろんですが、成犬になってからも変わらず元気いっぱいに走り回ります。その姿から「永遠のピーターパン」などと呼ばれており、いつまで経っても子犬のような若々しさがあります。
自信満々で少々ヤンチャが過ぎることもありますが、攻撃的になることはありません。それもフラットコーテッドレトリーバーの魅力だといえるでしょう。
飼いやすい?フラットコーテッドレトリーバーの飼い方
フラットコーテッドレトリーバーは楽しいことが大好きで、家族とのふれあいを好みます。運動も必要になってくるので、長く一緒に過ごすことができる方に向いているでしょう。
飼育するうえで何に気を付けなければならないのか、フラットコーテッドレトリーバーにとって最適な飼い方を確認しましょう。
近くに飼い主を感じられる室内飼育を
フラットコーテッドレトリーバーは寂しがり屋で、いつも飼い主の側にいたがります。そのため、屋外での飼育ではなく家族を近くに感じられる室内での飼育が向いています。
しかし、子犬の頃からずっと一緒に過ごすようにしていると留守番が苦手になってしまいます。飼い主の外出時に留守番は必要になってくるので、留守番や一人遊びなどは子犬の頃から慣らせるようにしましょう。
また、フラットコーテッドレトリーバーは好奇心旺盛な性格から誤飲や誤食が多いといわれています。室内は常に整頓することを心がけ、引き出しなど容易に開けられない工夫をする必要もあります。
室内で暴れまわらないよう、室内は休む場所で外は遊ぶ場所というように区別することを教えるのもポイントです。
アジリティなどの散歩以外も取り入れる
フラットコーテッドレトリーバーは体を動かすことが好きな犬種ですので、1日に1~2時間の散歩を2回行いましょう。運動量が豊富なので散歩に加えて、ドッグランや水の中を泳ぐなど遊ぶ時間を設けると喜ぶでしょう。
また、フラットコーテッドレトリーバーは何かをくわえて運ぶ作業が得意ですので、ボールやおもちゃを投げたりアジリティをしたりして遊ぶのもおすすめです。キャンプなどのアウトレジャーに連れて行くのも良い運動になりますよ。
フラットコーテッドレトリーバーのしつけ方
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フラットコーテッドレトリーバーは利口なのでしつけはしやすいですが、楽観的な性格から楽しいことがあると指示に従わなくなる場合があります。興奮してしまったとき、「マテ」や「オイデ」などをしつけておくと落ち着かせることができます。
その他にもワンちゃんに必要なしつけはたくさんあります。ここではトイレや無駄吠え、噛み癖の方法をご紹介します。
トイレのしつけ方:褒めることがトイレ成功の秘訣
室内飼いをする場合は特に重要になるトイレのしつけ。
まずはトイレシーツを排泄する場所であることを覚えさせる必要があります。寝起きや食後など「ワンツー」といったコマンドで声をかけてトイレに誘導してあげましょう。このコマンドは統一することがポイントです。
トイレが成功したら思いっきり褒めてあげることを繰り返すことで学習します。
失敗した場合は黙って片付けることが大切です。叱ってしまうと排泄を悪いことだと認識してしまい排泄を我慢するようになります。
無駄吠え・噛み癖はしっかりとしつけを
大型犬のフラットコーテッドレトリーバーは、体が大きい分声も大きいです。噛む力も小型犬と比べて強いので無駄吠えや噛み癖がついてしまうと近所迷惑になったり事故に繋がったりしてしまいます。そういった悪い癖は子犬の頃からしっかりとしつけをすることが重要です。
飼い主に対して吠える要求吠えには、吠えても無視し続けましょう。
噛み癖がつかないように、甘噛みをする子犬の時期から噛んで良いものと悪いものを教える必要があります。
これらのしつけが難しい場合はドッグトレーナーに依頼することも検討してみてください。
毛色・抜け毛は?フラットコーテッドレトリーバー被毛に必要なお手入れ
フラットコーテッドレトリーバーは長く艶やかな被毛も魅力です。そんな被毛を綺麗に保つには、ブラッシングやシャンプーなどのお手入れにも気を配らなければなりません。
ここでは、フラットコーテッドレトリーバーの被毛の特徴やお手入れ方法など詳しくご紹介します。
フラットコーテッドレトリーバーの毛色は2色
- ブラック
- レバー
フラットコーテッドレトリーバーのカラーは、ブラックとレバーの2色のみとなります。
ブラックのフラットコーテッドレトリーバーは凛とした印象が強く、かなり存在感があります。また、ツヤツヤとした被毛が美しく、優雅な雰囲気が漂います。
レバーは、ミルクチョコレートのような茶色をしています。ブラックに比べると柔らかな雰囲気があり、かっこいいというよりも愛らしいという言葉が似合います。
フラットコーテッドレトリーバーはそこまで抜け毛は多くない?
フラットコーテッドレトリーバーはオーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)から成るダブルコートの犬種です。ダブルコートは抜け毛が多い傾向がありますが、フラットコーテッドレトリーバーの場合は他のレトリーバー種に比べて抜け毛は少ないようです。
フサフサとした長い毛を綺麗に保つため、定期的にブラッシングをしてあげましょう。抜け毛は少ないといっても特に毛の生え変わる春と秋(換毛期)には多く抜け毛が発生します。
そのため、換毛期には毎日ブラッシングが必要となります。毛質は直毛に近いので比較的簡単にブラッシングは行えますよ。耳の後ろは毛玉ができやすいので注意しましょう。
また、シャンプーは体臭なども考えて2週間に一度行うことが理想的です。難しい場合はしっかりと体を拭いてあげてください。
フラットコーテッドレトリーバーのお手入れって何が必要?
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ブラッシングやシャンプーなど、被毛のお手入れ以外にも定期的に行うケアは他にもあります。清潔に保つことは病気の予防にも繋がります。
簡単にお手入れできるよう、子犬の頃からお手入れを習慣化しておくことも大切です。
ここでは、耳掃除と歯磨きの方法について詳しくご紹介します。
耳掃除の頻度とやり方
フラットコーテッドレトリーバーのような垂れ耳の犬種は耳の中の通気性が悪く、汚れや細菌が多くなりやすい傾向があります。放っておくと外耳炎などの耳の病気になってしまうので定期的なケアが必要です。
耳掃除シートなどで優しく汚れを拭き取って耳掃除を行ってください。犬の耳はとてもデリケートなので傷つけやすい綿棒では行わないようにしましょう。
また、耳をかゆがるなどの様子がみられる場合は、動物病院への受診をおすすめします。
歯磨きの頻度とやり方
歯磨きは歯周病などの病気を予防するためにも大切なお手入れです。毎日歯磨きを行うことが理想ですが、難しい場合は最低でも週に2~3回は歯磨きをするようにしましょう。
始めはガーゼやシートを使って汚れを落とし、慣れてきたら歯ブラシを使ってブラッシングしてあげてください。円を描くように動かし、2~3分で歯磨きを終えるとベストです。
歯磨きが嫌いにならないように、歯磨きが終わったらご褒美におやつをあげることもおすすめです。
気を付けたいフラットコーテッドレトリーバーの病気
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フラットコーテッドレトリーバーは大型犬で多くみられる股関節形成不全や胃拡張、骨肉腫など気を付けなければならない病気がいくつかあります。
どんな病気が発症しやすいのか、飼う前に事前に確認しておくことも大切です。
大型犬がかかりやすい「股関節形成不全」
遺伝が原因で股関節の形態に異常が起こり、腰を振って歩いたり(モンローウォーク)、運動を嫌がったりするようになります。フラットコーテッドレトリーバーのような大型犬で多くみられます。
原因が遺伝の他に、偏った栄養や過度な運動も関わるといわれており、体重管理や滑らないようにフローリングにカーペットを敷くなどの注意も大切です。
関節の状態や症状などによって、内科治療と外科治療から治療法が決定されます。
瞳が白く濁る「白内障」
カメラのレンズの役目をする器官の水晶体が白く濁り、物にぶつかるなどの視覚障害を示す行動が現れ、不安から夜鳴きをすることもあります。
一般的に6歳以上で症状が出る加齢によるものが多いですが、2歳くらいまでに発症する遺伝性のものや糖尿病などの他の病気が原因で発症するものもみられます。そのため、白内障の予防は難しく、早期発見が重要です。
初期の段階では点眼薬などで内科治療が行われます。しかし、根本的な治療をするには外科治療が必要になります。
身近に潜む事故「異物誤飲」
竹串や人の医薬品、紐など、人の身近にあるものを誤ってワンちゃんが飲み込んでしまって起こる事故が異物誤飲です。
誤飲したものや量などによって症状は異なり、主に嘔吐や下痢などがみられ、場合によっては死亡することもあるので注意しなければなりません。
室内で飼っている場合は特にワンちゃんの口の届く場所に飲み込みやすい物を置かないようにする必要があります。散歩の際も落ちている物を食べないように気を付けましょう。
誤飲をしてしまったら、催吐処置で異物を吐き出させたり、内視鏡によって除去したりします。中毒の可能性がある場合は胃洗浄をすることがあります。
大型犬は要注意「胃拡張(胃拡張胃捻転)」
胃が拡張し、さらに捻じれることでショック状態に陥る危険な病気で、フラットコーテッドレトリーバーのような大型犬によく発生します。
胃拡張胃捻転になると、えずいても嘔吐ができないなどの状態の後、呼吸困難などのショック症状を引き起こします。放っておくと死に至る場合があるので早急に治療しなければなりません。
明確な原因は分かっていませんが、早食いや食後の運動などが考えられているので、食事の与え方に注意が必要です。
治療はショック状態を落ち着かせ、手術をして捻じれている胃を戻します。
デキモノやシコリは「組織球種」の可能性も
デキモノやシコリがみられたら、組織球種かもしれません。組織球種は皮膚の腫瘍で、ほとんど良性といわれています。ドーム状に膨らみ、赤みや脱毛が伴うこともあるのが特徴です。
はっきりとした原因は分かっておらず、2歳以下のワンちゃんでよくみられるようです。
予防は難しいですが、定期的に体をチェックして早期発見・早期治療を心がけましょう。
自然に患部がなくなることもありますが、経過観察をしてもなくならない場合は手術によって切除します。
命に関わる「骨肉腫」
骨肉腫とは、骨と軟骨にできる悪性の腫瘍です。進行が早く転移しやすいので死亡率が高く、特にフラットコーテッドレトリーバーのような大型犬にみられる傾向があるので注意しなければなりません。
発症すると激しい痛みから足を引きずったり、体に触られるのを嫌がったりするようになります。原因は明らかになっていないため、予防は難しく早期発見・早期治療が重要となります。
治療は骨肉腫の発生部分と転移の有無によって異なります。切除可能で転移がない場合は手術によって摘出されます。摘出が難しく転移などが見られる場合は抗がん剤などが選択され、完治は難しいとされています。
フラットコーテッドレトリーバーをブリーダーから購入した場合の価格は?
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フラットコーテッドレトリーバーの子犬が安い地域ランキングベスト3
1位 | 静岡県 | 15万円 |
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2位 | 北海道 | 15万3000円 |
3位 | 埼玉県 | 16万714円 |
全国平均 | 20万9567円 |
※記事執筆時点のデータ
※ブリーダーナビしらべ
ブリーダーからお迎えするメリット
①健康的で社交性の高い子犬を迎えやすい
十分に衛生管理がなされているブリーダーのもとで生まれ育った健康的な子犬を探すことができます。また、他にも子犬がいる環境で生まれ育っているため、社会性が身に付いた状態で迎えやすくなります。さらに、基本的なしつけを受けていたり、適切な血統管理がなされていたりするケースが多いです。
②購入後のサポートも安心できる
子犬の見学を通してブリーダーの顔がわかり、信頼関係を築くことができます。子犬の購入後も分からないことがあれば質問しやすくなり、安心してサポートを受けられます。
③購入金額を抑えられる
流通の中間マージンがかからないため、ペットショップから購入する場合にくらべて子犬の購入金額は安くなります。フラットコーテッドレトリーバーの子犬をブリーダーからお迎えしたい方は、こちらのボタンから最新情報をチェック!優良ブリーダー情報も詳しく掲載しています。
※タイミングによってはお迎えできるワンちゃんがいない場合もあります。