気品溢れる日本原産の狆とはどんな犬?犬種の歴史・性格・魅力とは?人気の毛色や性別・子犬の安い地域とは?

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古くから宮廷で可愛がられてきた日本原産の狆(チン)。シルクのような高貴な印象の被毛や、ほとんど吠えることなく温厚で飼い主に忠実な性格で多くの人を魅了しています。初めてでも飼いやすい狆の性格や魅力、犬種の性質や飼い方の注意点の他、子犬を安く迎えることができる地域などをご紹介します。

狆ってどんな犬?

狆

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狆の魅力

  • 日本犬には珍しい、室内でも飼いやすい小型犬
  • 愛嬌たっぷりの表情がクセになると人気
  • シルクのような被毛が優雅で気品に溢れている
  • 利口でしつけがしやすく、初めてでも飼いやすい

古くから愛玩犬として愛されてきた狆は、日本原産の犬種には珍しい小型犬です。秋田犬や柴犬といった素朴な顔立ちの多い日本犬とは異なり、エキゾチックで印象的な顔立ちをしています。

日本原産の犬種にしては国内での飼育頭数が少ない狆ですが、面積の広い大きな瞳、微笑んでいるような口元につぶれ鼻と、愛嬌たっぷりの見た目がクセになると今もなお人気は継続しています。
あまり目にすることのない「狆」という漢字や、日本犬らしくない顔立ちであることから、日本原産であることを知らない方も多いでしょう。

狆の魅力はその容姿だけでなく、美しい被毛にもあります。狆にはシルクのように細く艶のある長い被毛が体を飾るように生えており、胸元、耳、尾の被毛は特にボリューミーです。まるでファーコートをまとっているようなゴージャスな見た目はとても気品に溢れています。

華やかで愛らしい見た目に加え、元々宮廷の愛玩犬として大切に育てられてきた歴史を持つ狆ならではの人懐っこさ、優雅でおしとやかな様子、飼い主や家族に対しての高い忠誠心も狆の魅力といえます。
また、利口で賢い狆はしつけやすいことから、ワンちゃん初心者からも人気のある犬種です。

狆の歴史

732年に韓国から日本の宮廷に献上された犬が祖先といわれ、その祖先犬を基に懸命な育種によって今日に存在する狆という日本原産の犬種が生まれました。狆には中国原産のペキニーズの他、狆の容姿によく似たチベタン・スパニエルの血が濃く入っていると考えられています。

狆という漢字は「ちいさいいぬ」という言葉がなまり、「ちぬ」「ちん」と変化していった末に生まれた和製文字です。

今では狆といって思い浮かぶのは1種のみですが、日本では小さい犬種を全て狆と呼んでいた時代があります。余談ではありますが、狆と血縁関係にあるペキニーズは中国原産の小さい犬という意味から「北京狆」と表記していたそうです。

日本で固体が確立された狆は、徳川綱吉の時代に江戸城で大名や貴族達に寵愛されていた犬種としても有名です。綱吉公が制定した「生類憐みの令」は、人間、犬、猫、鳥、魚、昆虫類まで全ての生き物を憐れむことを法にしたもので、この法律は当時綱吉公が可愛がっていた狆から生まれたという説もあります。綱吉公は狆を可愛がるあまり「犬公方」とも呼ばれていました。

日本で上流階級の人々に可愛がられていた狆は1613年にはイギリスへ、1853年にはアメリカへ持ち出され、ビクトリア女王に2頭の狆が献上された記録が残っています。東洋らしい風貌が注目され、狆は世界各国でも人気を博しました。

純血種の登録を行う愛犬団体に初めて登録された日本原産の犬種は狆であり、狆は日本原産の家庭犬の元祖ともいわれています。

狆の性格・性質

<3つのポイント>

  • 温厚
  • 友好的
  • 賢明で利口

狆は人懐っこく穏やかであることから、宮廷や大奥にて大名や貴族達に愛され、遊女や商人の間では狆を飼うことがステータスとなっていた時代もある程、古くから人々に愛されてきました。

狆は飼育環境を選ばず適応していく友好的なので、ペット初心者をはじめシニア世代や小さな子供のいる家庭、先住犬がいる家庭などでも問題なく飼育できる犬種です。古くから人間と常に密なコミュニケーションをとり続けてきた狆だからこそ発揮できる生まれもった性質といえます。
人間と同じ時間を共有し、密なスキンシップをとることに多くの幸せや喜びを感じる犬種であるため、四六時中に愛犬と過ごしたいという人にとって、良きパートナーとなってくれるでしょう。

さらに賢明で利口な狆は、飼い主の気持ちや指示をよく理解して忠実に応えてくれる犬種でもあります。無駄吠えも少なく温厚なことから理想の家庭犬といえるでしょう。

狆の飼い方の注意点

狆

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ワンちゃんには季節に応じて毛が生え変わるダブルコートの犬種と、生え変わりのないシングルコートの犬種がいます。ダブルコートの犬種は夏には毛が抜け落ち、冬には増毛されるため比較的体温調整がしやすいのですが、狆はシングルコートの犬種で抜け毛は少ないのですが、年間同じ毛量のため極端な暑さや寒さが苦手です。

また、長い間室内犬として愛されてきた狆は特に暑さが苦手といわれています。暑い日の散歩は控え、室内でも熱中症にならないように温度管理などに気をつけましょう。

その他にも、体が頑丈ではない狆は関節が脱臼しやすいため、家の階段や少しの段差から誤って転落しないように注意しなければなりません。怪我の他、家具などに大きな瞳がぶつかって傷がつかないようにするなど飼育環境を整えることも大切です。

狆のお手入れ

狆の被毛はシルクのように細く、体のラインが隠れるほど長く真っすぐに伸びています。狆の魅力でもある美しい被毛を保つためにも、週に1回のブラッシングに加え定期的にシャンプーを行いましょう。

多くの犬種は散歩である程度爪が削れていきますが、狆の爪は伸びる速度が速いうえに散歩も1日1回30分程度と少ないため、こまめに爪の長さをチェックし、必要に応じてカットする必要があります。

また、狆は日本犬には珍しい垂れ耳で被毛に覆われているため、通気性が悪く汚れが蓄積しやすいです。そのままにしておくと外耳炎になる場合があるので、爪と同じくこまめなチェックと掃除を行いましょう。

狆にまつわる噂

★狆は散歩が必要ないって本当?

狆は室内で十分に走り回れるスペースがあれば、散歩を無理にする必要はありません。ただし、穏やかそうに見えて実は活発な犬種でもあるため、気分転換や社会性を育むうえで散歩をした方が愛犬のためにも良いでしょう。

★犬種のスタンダードよりも大きな狆がいるって本当?

実際に8kg近い狆を飼育している飼い主もいます。ほとんどの犬種がスタンダードの基準値に近い大きさに成長しますが、親犬、祖父母犬、祖父母の両親犬と、祖先に大きな体の犬がいれば、その血筋を受け継いでいる関係で基準よりも大きく成長することがあります。
獣医の診断を受けて健康状況を確認すれば問題ありません。どんな大きさであれ、変わらず愛情を注いであげることが大切です。

★かつて「ジャパニーズ・スパニエル」と呼ばれていた狆はスパニエル種なの?

体型やシルエットがスパニエルに似ていることからはじめは「ジャパニーズ・スパニエル」と呼ばれていましたが、狆はスパニエル種とは“無縁”であることから「ジャパニーズ・チン」と改名されています。
狆の血縁にはチベタン・スパニエルが関係していると考えられていることもあって、スパニエルという名がついていたのでしょう。

※タイミングによってはお迎えできるワンちゃんがいない場合もあります。