ロシアントイテリアってどんな犬?歴史や魅力とは?犬種の性格・毛色・子犬の安い地域もご紹介
photo by Shutterstock
チワワやパピヨンに似た容姿を持つ「ロシアントイテリア」という犬種を知っていますか?日本ではほとんど見かけない珍しい小型犬です。今回は、国内でもジワジワとその存在に注目が集まりつつあるロシアントイテリアの歴史や魅力、性格や毛色の他、子犬の安い地域についてもご紹介します。
目次
ロシアントイテリアってどんな犬?
photo by Shutterstock
ロシアントイテリアの魅力
- 国内では希少な犬種
- しつけやすく初心者でも飼いやすい
- 小型犬のため集合住宅でも飼いやすい
ロシアントイテリアは、一見するとチワワやミニチュアピンシャーなどにも見えるため馴染みがあるようにも思えますが、日本国内ではほとんど見かけることのない珍しい犬種です。
良く見るとチワワよりも脚が長く筋肉質で、中にはパピヨンのような長い被毛を部分的に持っている子もいます。特徴のある個性的な容姿で、原産国のロシアでは高い人気を誇ります。
日本では触れ合う機会が少ないだけにどんなワンちゃんなのか分からないことも多いですが、初心者でもしつけしやすいというほど利口で優秀な犬種だといいます。3㎏程の小型犬のため集合住宅でも飼いやすく、小型犬が人気の日本でも気になっている愛犬家がジワジワと増えてきているのではないでしょうか。
また、テリアは気性が荒いとか攻撃的だとか、しつけが難しいとか、しばしば気難しそうな特徴を挙げられますが、ロシアントイテリアはこうしたテリア気質があまりないところも魅力です。
ロシアントイテリアの歴史
ロシアントイテリアの基礎となったのは、イギリス原産のトイ・マンチェスター・テリアという犬種です。イギリスでは「イングリッシュ・トイ・テリア」と呼ばれています。
トイ・マンチェスター・テリアは、1900年代にロシアで絶大な人気を得ていました。しかし1920年~1950年の間に勃発した2つの大戦の影響で繁殖が行われなくなり、大戦後は個体数が激減。一時は絶滅の危機にさらされます。
その際に立ち上がったのがロシアのブリーダー達です。トイ・マンチェスター・テリアを基礎犬とし、犬種の復興を目指しました。
しかし、交配を繰り返していくと基礎犬の要素はどんどんと薄れていき、トイ・マンチェスター・テリアとは多くの面で異なる犬種になっていったといいます。
その過程で誕生したのが、ロシアントイテリアです。いつしかトイ・マンチェスター・テリアとは別の犬種として扱われるようになり、ロシア原産の犬種として発展していきます。
はじめにスムースコートが生まれ、その後耳と四肢、尻尾に長い被毛が生えたロングコートが誕生しました。
ロシアントイテリアの性格・性質
<3つのポイント>
- 陽気で活動的
- 落ち着きがある
- 利口
ロシアントイテリアは、軽快に歩く姿からも分かるように、とても活動的で陽気な性格をしています。その場が一気に明るくなるような、ムードメーカーのような存在感があります。
とても活発なロシアントイテリアですが、イタズラ好きで手の付けられないような感じではなく、落ち着きがありとても利口です。飼い主の言う事に忠実で、ワンちゃんを初めて飼う人でもしつけしやすいでしょう。
また、攻撃的でも臆病でもありません。友好的な性格のため、他のワンちゃんとも仲良くすることができます。多頭飼いや家族の多い家庭でも心配なくやっていけるような性格です。
ロシアントイテリアの飼い方の注意点
ロシアントイテリアはチワワよりも頭が小さく、リードを強く引っ張った際に首輪がスポッと抜けてしまう危険性もあります。愛犬のサイズにあった首輪を使用するのはもちろんのことですが、首ではなく胴体部分に取り付けるハーネスを使用するなど、散歩の際にノーリードにならないよう使用するアイテムには注意が必要です。
また、ロシアントイテリアは後ろ脚をバネのように使って、ピョンピョンと跳ねるような軽快な歩行が特徴です。運動神経も良いため、背の低い柵を飛び越えてしまったり、棚の上に手が届いてしまったりと、思わぬ怪我に繋がる行動をとることもあります。安全に暮らせるよう庭には高い柵をつけ、手が届く場所には物を置かないようにしましょう。
ロシアントイテリアのお手入れ
ロシアントイテリアは抜け毛も少なめでトリミングも必須ではないため、お手入れはそこまで難しくありません。基本のお手入れは週に1~2回、念入りにブラッシングを行い、毛並みを整えてあげる程度でいいでしょう。
また、スムースコートの場合は、汚れや臭いが気になったときに濡れタオルで被毛を拭いてあげると喜びます。ロングコートの場合は、毛が長い部分がもつれやすいため、絡まらないようこまめに毛をといてあげましょう。シャンプーは月に1度を目安に行ってください。
ロシアントイテリアは活動的なため、動いているうちに爪は削れていきますが、念のため週に1度は爪をチェックしましょう。
また、立ち耳のため通気性に問題はありませんが、汚れがついていたときには耳掃除も必要です。
ロシアントイテリアにまつわる噂
★スムースコートとロングコートで性格が異なるって本当?
ロングコートは穏やかで優しく、スムースコートは気が強くやんちゃな子が多いようです。個体によっても性格は異なりますが、被毛による性格の違いは、子犬を選ぶ際の参考にしてみてもいいかもしれません。
ロシアントイテリアは、基礎犬のトイ・マンチェスター・テリアにチワワやパピヨンなど複数の小型犬を混ぜて作出した犬種です。被毛によって性格が若干異なるのも、さまざまな犬種の性質を受け継いでいるからでしょう。
★オスとメスで性格が異なるって本当?
被毛によって性格が異なるといわれているロシアントイテリアですが、オスとメスでもまた性格が異なります。
基本的には明るく元気で軽快な歩行が特徴的なロシアントイテリアですが、メスの方が落ち着きがあり、優雅な印象が強いです。オスは無邪気でやんちゃな少年のような印象があります。
オスはオスらしく、メスはメスらしく、性別によって気質に違いが出るところも、この犬種の魅力です。
★ロシアントイテリアは他の名前があるって本当?
ロシアントイテリアを作出する中で、2頭のスムースコートから耳、四肢、尻尾に長い被毛が生えた1頭のオスが生まれたそうです。この特徴的で素晴らしい被毛は保持することが決まり、このオス犬とわずかに長い被毛を持つメス犬を交配し、ロングコートというバリエーションが誕生しました。
ロングコートの作出はモスクワのブリーダーを中心に行ったことから「モスクワ・ロングヘア―ド・トイ・テリア」と名付けられました。そのため、ロシアントイテリアのロングコートは、モスクワ・ロングヘア―ド・トイ・テリアと紹介されることもあります。
ロシアントイテリアをお迎えしよう!
ロシアントイテリアの基本データ
ロシアントイテリアの大きさ | 20~28cm |
---|---|
ロシアントイテリアの体重 | 3kgまで |
平均寿命 | 12年以上 |
原産国 | ロシア |
ロシアントイテリアの人気カラー
- ブラック&タン
- ブラウン&タン
- ブルー&タン
ロシアントイテリアの毛色は、ブラック、ブラウン、ブルーなどをベースに褐色が混ざったカラーが一般的です。
また、1本の毛の先から中間まで、中間から根元までの毛色に僅かな濃淡が現れることをシェードといいますが、ロシアントイテリアはこのシェードが鮮やかなもの程良いとされています。
基本的には2色の毛色ですが、シェードがあることにより、2色以上の毛色が混ざっているように見える色鮮やかなカラーが、この犬種の良さでもあります。
ロシアントイテリアのその他の特徴
ロシアントイテリアは筋肉質でとても引き締まっている印象ですが、骨は細く華奢です。そのため、中には痩せて見えてしまう子もいますが、痩せているから健康ではないという訳ではありせん。
子犬を選ぶ際には、元気に動けているか、足取りが軽快であるか、目が輝いているかなど、健全性を見極めながら選ぶといいでしょう。
女の子と男の子どちらが人気?
女の子・・・46%、男の子・・・54%
※ブリーダーナビの犬種別検索数より
ロシアントイテリアは男の子の方が若干人気があります。
オスとメスとでは体の大きさや体重にほとんど変わりはないものの、行動に明瞭な差があるのがこの犬種の特徴です。
男の子の方が活発で、チョロチョロと常に動き回っています。元気で好奇心旺盛な男の子に、落ち着きがあり冷静な女の子と、とても対照的な性格です。
性別で異なる性質や、個体の性格なども考慮しながらお気に入りの子を選ぶといいでしょう。
ブリーダーからお迎え!ロシアントイテリアの子犬が安い地域トップ3
1位 | 新潟県 | 12万5,276円 |
---|---|---|
2位 | ー | ー |
3位 | ー | ー |
全国平均 | 12万5,277円 |
※ブリーダーナビしらべ
純血種の登録や血統書を発行している愛犬団体ジャパンケネルクラブ(JKC)では、毎年犬種別犬籍登録頭数を公開しています。しかし、2017年に公開されている133犬種の中に、ロシアントイテリアは含まれていませんでした。
つまり、それほど希少な犬種であり、国内では子犬の購入も簡単ではないということも分かります。
ただ、ブリーダーナビによれば、新潟県でロシアントイテリアの子犬の販売が確認できたとのこと。データを見て分かる通り、ブリーダー自体がとても少ないため、子犬探しは容易ではありませんが、新潟県以外にも全国各地を探してみるといいかもしれませんね。