垂れた皮膚と力強い見た目が特徴のボクサーってどんな犬?人気のカラーや性別は?安く迎えられる地域ってあるの?
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垂れ下がった顔の皮膚にがっしりとした体型が特徴のボクサー。怖そうな見た目ゆえ攻撃的なイメージを抱かれがちですが、実際は優しくて家族にはたくさん愛情を注ぐ犬種です。そんなボクサーの魅力や歴史、販売価格などをご紹介いたします。
目次
ボクサーってどんな犬?
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ボクサーの魅力
- ユニークで愛嬌のある顔
- 筋肉質で頼りがいのある大きな体
- 従順でしつけがしやすい
だらんと垂れ下がった顔の皮膚、まん丸な瞳、突き出た下顎が特徴のボクサー。この突き出している下顎は俗に“アンダーショット”と呼ばれており、ほかの犬種であれば欠陥として認定されます。しかし、ボクサーの場合はアンダーショットが正常な状態であり、むしろチャームポイントとなっています。
そんなボクサーの体は筋肉で覆われており、非常にがっしりとしています。特に胸板が厚く、かなり力強い印象を受けます。ちなみに平均体重は30kg前後で、日本では大型犬に分類されています。存在感のある出で立ちをしていますので、街で注目を浴びることも多いでしょう。
また、ボクサーの魅力として従順であることが挙げられます。一見しつけが難しそうな犬種に思えますが、実際は真逆です。飼い主の指示には素直に従い、知識を教えれば教えるほどグングン成長していきます。非常にしつけのしやすい犬種ですので、ワンちゃんを初めて飼う方にも易しいといえます。
ボクサーの歴史
ボクサーはドイツ原産の犬種です。祖先となったのは、ブラバント地方で狩猟を行っていた“ブレンバイザー”という小型犬種だといわれています。このブレンバイザーという名前には「牛噛み犬」といった意味があります。名前の通り、ブレンバイザーはハウンドが追い詰めた獲物をハンターが到着するまで“噛んだまま”保持しておく作業を行っていたのだそうです。
その後、狩猟犬としてより優れたブレンバイザーを作り出すため、何年かに渡って改良が続けられました。しかし、様々な場所で繁殖が行われていたため、雑種化が進んでしまったブレンバイザーを1つにまとめようとする動きが1800年代後半に行われ、1895年頃には“ボクサー”として犬種が統一されました。
ボクサーは近年警察犬としても活躍していますが、アメリカではペットとしての人気が高いようです。一方日本ではペットとしてボクサーを飼育する家庭が少なく、人気もそう高くはありません。ですが、ボクサーはペットとしての素質を大いに持っていますので、ボクサーの素晴らしい性格が広まれば日本でも一躍人気の犬種となることでしょう。
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ボクサーの性格・性質
<3つのポイント>
- 穏やかで落ち着きがある
- 家族に対しては愛情深い
- 警戒心が強い
ボクサーは厳つい見た目をしているがゆえに「怖そう」「攻撃的な犬」などといったイメージを持たれがちです。しかし、実際は穏やかで落ち着きのあるワンちゃんなのです。神経質でもないため、どんな家庭環境でも暮らしていくことができます。
また、家族に対しては深い愛情を示してくれます。特に信頼している飼い主には献身的な行動を見せることがあり、家庭犬としては素晴らしい性格であるといえます。さらに、小さな子どもとも仲良くすることができ、ときには子守をしてくれることもあるでしょう。
ただ、ボクサーには警戒心の強い一面があります。家族以外の人物に対しては疑り深い目で観察し、近づこうとはしません。自分や家族に危害を加えようとする者には攻撃的になることもあります。警戒心だけでなく家族を守ろうとする防衛心も非常に強いため、番犬としても優秀な犬種です。
ボクサーのお手入れ
ボクサーは毛が短いため、お手入れが比較的楽です。抜け毛もさほど多くありませんので、毎日ブラッシングする必要はないでしょう。ただし、ブラッシングには血行促進や毛艶を良くする役割がありますので、週に2~3回程度はブラッシングを行いましょう。ブラッシングの際は、ラバーブラシや獣毛ブラシなど短毛種用のブラシを使用してください。
また、ボクサーの耳は垂れており、湿気や汚れが溜まりやすくなっています。そのため、ブラッシングと同じく週に2~3回程度の耳掃除が欠かせません。定期的な耳掃除を怠ると雑菌が繁殖しやすく、“外耳炎”や“中耳炎”などの耳の病気にかかる確率が高くなってしまいますので、ご注意ください。
ボクサーの飼い方の注意点
ボクサーは運動することが好きな犬種ですので、散歩は毎日行うようにしましょう。1日2回、1回につき60分程度が理想です。散歩に加えて、ドッグランや広い公園でのびのびと遊ばせる時間も設けましょう。思う存分走らせたり、ボールやロープを投げたりして遊んであげてください。
そんなボクサーは暑さに弱い犬種であるため、夏場はエアコンの効いた涼しい室内で飼育しましょう。散歩やドッグランで遊んでいるときは“熱中症”にかかるリスクが高まりますので、細心の注意を払わなければなりません。外に出るときは必ず早朝や夕方などの涼しい時間帯を狙い、こまめに水分補給をさせてください。
なお、涼しい時間帯であっても地面が熱を持っていることがあります。特にアスファルトは日が落ちてからでも熱を保持し続ける性質がありますので、散歩へ行く前に地面を触って冷たくなっているか確認しましょう。熱い地面を歩かせると肉球がヤケドしてしまいますので、注意してください。
ボクサーにまつわる噂
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★ボクサーは凶暴って本当?
犬種改良の際に闘犬として活躍していた血気盛んな犬種を交配させたため、中には凶暴な性格の子もいるようです。しかし、ボクサーは基本的に穏やかな性格をしているため、子犬の頃からしつけを行えば凶暴になることは少ないでしょう。
手がつけられないほど凶暴になってしまった場合は、問題行動を専門としているドッグトレーナーに頼りましょう。そのときにできる最善の案を出してくれます。
★ボクサーは病気にかかりやすいって本当?
実はボクサーは“拡張型心筋症(かくちょうがたしんきんしょう)”という病気にかかりやすいといわれています。その発症率の高さから、別名“ボクサー心筋症”とも呼ばれているそうです。拡張型心筋症は遺伝的疾患であり、発症すると不整脈や呼吸困難に陥ります。特に3歳以上の男の子がかかりやすいとされています。
★ボクサーは子犬の頃にしっぽを切るって本当?
ボクサーといえば短くてピンと立ったしっぽのイメージですが、本来は細長いしっぽを持つ犬種です。しかし、この細長いしっぽは子犬の頃に“断尾(だんび)”と呼ばれる方法を用いて切られてしまいます。
断尾を行う理由としては、狩猟の際に獲物に噛みちぎられたり、怪我したりしないようにとの目的があったのですが、現在は単にファッションとして断尾が行われているようです。この断尾は動物愛護の観点から禁止している国もありますが、日本では未だに行われています。
ボクサーをお迎えしよう!
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ボクサーの基本データ
ボクサーの大きさ | 53~63cm |
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ボクサーの体重 | 25~32kg |
平均寿命 | 10~14年 |
原産国 | ドイツ |
ボクサーのカラー
- フォーン
- ブリンドル
ボクサーのカラーは2色存在していますが、日本ではフォーンのボクサーが人気です。フォーンはオレンジがかった茶色と白色の2色で構成されています。大部分はオレンジがかった茶色で覆われていますが、足先や胸元は白色です。フォーンは個体によって色の濃淡が異なり、それぞれ違った色合いをしています。なお、口周りは“ブラックマスク”といって、黒っぽくなっています。
ブリンドルは主に濃い茶色と黒色で構成されているカラーで、肋骨に沿って入るストライプのような模様が特徴です。フォーンよりも色が濃いため、力強さが強調されています。また、足先には白色が入っており、まるで靴下を履いているかのように見えます。厳つさの中に愛嬌があって、非常に魅力的なカラーです。
女の子と男の子どちらが人気?
女の子・・・20% 男の子・・・80%
※ブリーダーナビの犬種別検索数より
ボクサーは女の子よりも男の子の方が圧倒的に人気です。
やはり男の子は筋肉質で体も大きいため、ボクサーらしいパワフルな印象があります。さらに体力もありますので、一緒にお出かけを楽しんだり、スポーツを楽しんだりするにはもってこいです。ただし、ヤンチャな子も多いため、子犬の頃からのしつけが必須となります。
女の子は男の子に比べて、落ち着きのある子が多いです。家中を走り回って荒らすことも少ないでしょう。また、女の子は自立心が高い傾向にありますので、長時間の留守番も平気でこなしてくれます。ただ、ボクサーは飼い主や家族のことが大好きですので、長時間の留守番が続くと寂しがってしまいます。できるだけ一緒にいる時間を取ってあげてくださいね。
ブリーダーからお迎え!ボクサーの子犬が安い地域トップ3
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1位 | 広島県 | 13万円 |
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2位 | 群馬県 | 15万1200円 |
3位 | 千葉県 | 16万8000円 |
全国平均 | 15万0760円 |
※ブリーダーナビしらべ
ボクサーの子犬をお迎えする際は、ブリーダーからお迎えすることをおすすめします。なぜなら、ペットショップよりも飼育環境が良いことに加え、ブリーダーからの方が安くお迎えできることがあるからです。
実際、ボクサーの平均価格が15万円であるのに対し、広島県のブリーダーは13万円で販売しています。なんと2万円も安くお迎えすることができます。次にランクインしている群馬県・千葉県は平均価格とほぼ変わりありませんが、全国で見ると比較的安い地域になります。