「チューバッカ」のモデル?ベルジアングリフォンの性格や飼い方まとめ
スターウォーズに登場する「チューバッカ」のモデルになったといわれるベルジアングリフォン。日本では知名度の低い犬種ではありますが、原産国のベルギーでは何世紀にも渡って愛されてきました。本記事ではそんなベルジアングリフォンの性格や飼い方、しつけ、かかりやすい病気などについてご紹介します。
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目次
ベルジアングリフォンの基本データ
ベルジアングリフォンの大きさ | 23~28cm |
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ベルジアングリフォンの体重 | 3~5kg |
平均寿命 | 12年以上 |
原産国 | ベルギー |
ベルジアングリフォンの歴史
ベルジアングリフォンは、何世紀も前からブリュッセル周辺に生息していた粗毛の「Smousje(スムージー)」と呼ばれる小型犬を祖先としています。この祖先犬はベルジアングリフォンだけでなく、「ブリュッセルグリフォン」「プチブラバンソン」の祖先でもあります。つまり、ベルジアングリフォン、ブリュッセルグリフォン、プチブラバンソンの3犬種は兄弟の関係にあるのです。
しかし、日本では2002年までベルジアングリフォンを「ブリュッセルグリフォン」として扱っていました。というのも、ベルジアングリフォンはブリュッセルグリフォンから派生した犬種のため、以前までは毛質が違うだけの同犬種として扱っていたのです。
元となったブリュッセルグリフォンは、かつて馬小屋を荒らすネズミや害獣を駆除する犬として活躍していました。この犬種は19世紀になるとパグやヨークシャーテリア、キングチャールズスパニエルなどと掛け合わされます。
このときにヨークシャーテリアの黒い被毛を持った個体が誕生。その個体を固定化してベルジアングリフォンを完成させました。
日本では2002年にベルジアングリフォンを1つの犬種として認めていますが、未だにブリュッセルグリフォンと同じ犬種だとしている国もあるようです。
ベルジアングリフォンの性格
ベルジアングリフォンは明るく活発な性格をしています。他のワンちゃんと遊ぶことが好きで、社交性に富んでいます。ワンちゃんだけでなく、他の動物や子どもとも仲良くできるため、どんな家庭にも馴染めるでしょう。また、飼い主や家族に対して愛情深いことも特徴です。
一方で警戒心が強く、見知らぬ相手には吠えることがあります。とはいうものの、飼い主と親しい間柄の相手には友好的な態度を示すため、番犬には向いていません。
また、ベルジアングリフォンはとても利口です。理解力に長けていますし、なにより観察眼が非常に鋭いです。いつも家族や周囲の行動を注意深く見ています。
ベルジアングリフォンの飼い方としつけのポイント
ベルジアングリフォンは毛の量が少なく寒がりのため、室内飼いをしてあげましょう。また、飼い主との密なコミュ二ケーションを必要とする犬種ですので、長時間の留守番は控えてください。それに加えて、警戒心から吠えてしまうことがありますので、無駄吠えのしつけが欠かせません。その他、ベルジアングリフォンの飼い方やしつけのポイントをご紹介します。
飼い方
寒がりのベルジアングリフォンは室内飼育が好ましい
ベルジアングリフォンは暑さや寒さに弱いため、必ず室内で飼育しましょう。特に寒さが苦手ですので、冬場は暖房器具や洋服などを用いて防寒対策をしてください。
また、ベルジアングリフォンのような鼻が短い犬種は、体からうまく熱を逃がすことができません。そのため、夏場はエアコンの効いた室内で飼育し、熱中症にかからないよう注意しましょう。
散歩や運動は体力に合わせて行う
ベルジアングリフォンは小型犬のため、運動量は多くありません。室内で遊ぶだけでも十分ですが、社交性を伸ばすためにも1日1~2回20分程度の散歩へ連れて行きましょう。なお、散歩時間は愛犬の体力に合わせて設定してください。
また、ベルジアングリフォンはただ単に運動するよりも、精神的な刺激を求めます。そのため、ゲーム要素を取り入れた遊びやドッグランで他のワンちゃんと遊ぶことを好むようです。
長時間の留守番は控える
ベルジアングリフォンは飼い主や家族との密なコミュ二ケーションを必要とするため、長時間の留守番が苦手です。寂しい思いをさせないよう、たくさんスキンシップをとってあげましょう。
しつけ
頑固なベルジアングリフォンのしつけは根気が必要
ベルジアングリフォンは観察眼が鋭く、その状況に応じて物事を判断できます。その上、理解能力にも長けており、非常に利口です。しかし、やや頑固な性格ゆえ、犬を初めて飼う方はしつけに苦労するかもしれません。
とはいえ、根気よくしつけを行えば着実に物事を学習していきます。しつけは頭が柔軟な子犬の内に行うことがポイントです。
子犬の頃から社会性を育む
元々備わっている社会性を伸ばすため、子犬の頃から「社会化」を行いましょう。できるだけ多くの人・物・音・ニオイなどと触れ合わせることが大切です。また、ドッグランへ行って他のワンちゃんと積極的に遊ばせるのも良いでしょう。
無駄吠えのしつけを忘れずに
ベルジアングリフォンは警戒心から、吠えてしまうことがあります。小さな体に似合わず、大きな声で吠えるため、近所の方と騒音トラブルに発展する恐れも。そうならないよう、早い内から無駄吠えのしつけを行いましょう。
基本的に吠えている間は「無視」をし、吠え止んだときに「褒める」というのを繰り返してください。すると次第に、静かにしていれば大好きな飼い主が構ってくれると学習していくでしょう。
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ベルジアングリフォンの被毛・毛色について
ベルジアングリフォンの毛色
- ブラック
- ブラック&タン
ベルジアングリフォンの毛色は2色です。ブラックはレッド・ブラウンと混ざっていても良いのですが、ピュアブラックもしくはブラック&タンが望ましいとされています。また、ブラック&タンに見られるタンマーキングは足や胸、頬、目の上、しっぽの裏など様々な場所に現れます。
ベルジアングリフォンの被毛の特徴
ベルジアングリフォンの名前にある「グリフォン」とはフランス語で、“針金のような”を意味します。その言葉通り、ゴワゴワとした固い被毛が全身を覆います。
また、ベルジアングリフォンは下毛のない「シングルコート」のため、抜け毛が少ないです。しかし、被毛自体が細くて絡まりやすいため、毎日のお手入れが欠かせません。
ベルジアングリフォンの被毛のケア
ベルジアングリフォンは絡まりやすい毛質をしているため、ブラッシングは毎日行いましょう。絡んでいる毛をほぐすように、コームを使って丁寧にブラッシングしてください。こまめにブラッシングをすることで、被毛のトラブルを防ぐことができます。
ベルジアングリフォンのトリミングについて
ベルジアングリフォンは体臭が強いわけではないのですが、皮膚の清潔を保つためにも月に1度はシャンプーを行いましょう。それと同時に、頭の毛が目に入らないようカットしてあげてください。すきバサミもしくはバリカンを使って、少しカットする程度で十分です。元々毛が少なくて寒がりのため、カットしすぎないように注意しましょう。
ベルジアングリフォンがかかりやすい病気
ベルジアングリフォンは遺伝疾患が少なく、比較的健康な犬種です。しかし、短頭種がかかりやすい病気には注意しましょう。特に軟口蓋過長症や呼吸器系疾患などにかかりやすいとされています。これらの病気は“肥満”によってリスクが高まるため、体重管理が重要です。その他、ベルジアングリフォンが注意したい病気についてご紹介します。
短頭種は要注意!「軟口蓋過長症」
上顎にある軟口蓋が大きく垂れ下がる病気を「軟口蓋過長症」といいます。軟口蓋が通常より長いことで呼吸がしづらくなり、大きないびきや開口呼吸などが引き起こされます。また、症状が悪化すると呼吸困難や失神など、命に関わる症状が現れます。
軟口蓋過長症は先天性の病気ですので、予防が難しいです。
治療方法としては、軟口蓋を切除する手術が挙げられます。
気管が圧迫されてしまう「気管虚脱」
気管虚脱とは、気管が本来の強度を失ったことによって変形してしまう病気です。常に気管が押しつぶされた状態になっているため、激しい運動をしたり、興奮したりすると咳や「ガーガー」という喉鳴りが起こります。また、重度の気管虚脱になると呼吸困難や失神などを引き起こします。
発症の原因は明らかになっていませんが、肥満やストレス、老化などが要因だと考えられています。
気管虚脱を予防することは難しいですが、「脂肪で気管が圧迫されないように肥満対策をする」「過度な運動や興奮を避ける」「気管に負担がかからないようにハーネスにする」などの工夫で悪化を防げます。
治療は気管拡張薬や鎮咳薬の投与、重度の場合は酸素吸入や手術を行います。
夏場にリスクが高まる「熱中症」
熱中症とは体温が急激に上がることにより、呼吸困難や嘔吐、けいれんなどが起こる病気です。ワンちゃんは人よりも暑さに弱いため、直射日光の下に長時間いたり、暑い夏の日に激しい運動をしたりすると熱中症にかかってしまいます。
そのため、夏場はこまめに水分補給をさせる、エアコンの効いた部屋で飼育する、夏場の散歩は短めにするなどして熱中症を予防しましょう。
もし愛犬が熱中症にかかってしまった場合は、体に水をかけたり、風通しの良い場所に移動させたりして体を冷やしてください。
その後すぐに動物病院へ連れて行き、点滴やステロイド剤の投与をしてもらいましょう。
小型犬がかかりやすい「膝蓋骨脱臼」
膝蓋骨脱臼とは、後ろ足にある膝蓋骨(膝のお皿)が正常な位置から外れてしまう病気です。症状は4つのグレードで表され、軽いものであれば日常生活に支障はありません。ただ、症状が最も重いグレード4になると足が変形し、地面にうずくまるように歩く、足があまり地面につかないなどが見られるようになります。
予防法としては、普段から体重管理を徹底して肥満体型にしない、関節に負担をかけないよう床にカーペットを敷くなどが挙げられます。
膝蓋骨脱臼の治療はグレードによって変わってきますが、鎮痛剤やレーザー治療、外科手術などを行います。
ベルジアングリフォンをお迎えしよう!
ブリーダーからお迎えするメリット
①健康的で社交性の高い子犬を迎えやすい
十分に衛生管理がなされているブリーダーのもとで生まれ育った健康的な子犬を探すことができます。
また、他にも子犬がいる環境で生まれ育っているため、社会性が身に付いた状態で迎えやすくなります。
さらに、基本的なしつけを受けていたり、適切な血統管理がなされていたりするケースが多いです。
②購入後のサポートも安心できる
子犬の見学を通してブリーダーの顔がわかり、信頼関係を築くことができます。
子犬の購入後も分からないことがあれば質問しやすくなり、安心してサポートを受けられます。
③購入金額を抑えられる
流通の中間マージンがかからないため、ペットショップから購入する場合にくらべて子犬の購入金額は安くなります。
ベルジアングリフォンの子犬をブリーダーからお迎えしたい方は、こちらのボタンから最新情報をチェック!優良ブリーダー情報も詳しく掲載しています。
※タイミングによってはお迎えできるワンちゃんがいない場合もあります。